東京成徳大、中村学園女子に敗れて3冠ならず 準々決勝、最大の注目を集めた東京成徳大対中村学園女子の一戦。先に主導権を握ったのは東京成徳大。司令塔#4吉田を中心に、一人一人が攻め気を見せて14点リードを奪って前半を終了する。第3ピリオドに入ると中村学園女子が反撃を開始し、#4中山の3Pシュートなどで3点差まで2度詰め寄る猛追を見せる。しかし、東京成徳大はこの苦しい場面で#4吉田が1対1を決めて、再び10点のリードを奪って最終ピリオドを迎えた。 ここからが中村学園女子の逆転のドラマの始まりだった。あとがない中村学園女子は第4ピリオド開始からオールコートのゾーンプレスを仕掛ける。このゾーンプレスが見事にハマり、東京成徳大はパスミスを連発。ディフェンスも浮き足立っていまい、この隙を突いて中村学園女子はインサイドの#9森にボールを集めて加点。残り3分47秒にはついに逆転に成功する。東京成徳大は3Pシュートで挽回を狙うが、これが外れてゲームセット。80−77で中村学園女子が大逆転勝利を飾った。東京成徳大の3冠の夢は中村学園女子の前にベスト8で途切れてしまった。 敗れた東京成徳大・下坂コーチは「(外角の得点源である)#7藤井が2回戦でねんざをしてしまい、藤井を欠いたのが予想以上に響いた。ゾーンプレスに対してはボールを運べると思ったが、パスミスをしたのが痛かった。最後はシュートセレクションが悪くなり、台形でいいポジションを取られてしまった」と敗因を分析。さらに続けて「中村はいずれ対戦しなくてはならない相手だけど、ここで負けたくはなかった」と悔しさを噛みしめた。 第1〜第4シードがベスト8で姿を消す インターハイ優勝校の東京成徳大、準優勝の慶誠、ベスト4の岐阜女子、大阪薫英女学院のシード校4チームがベスト8で姿を消した。東京成徳大が敗れた隣のコートでは、女王復活を目指す桜花学園が東海地区のライバル・岐阜女子に快勝。インターハイベスト4の大阪薫英女学院は、勢いのある札幌山の手の前に一時は10点のビハインド。終盤には同点に追いつき接戦に持ち込むも、札幌山の手が#4大鷹の3Pシュートなどで最後は突き放した。インターハイ準優勝の慶誠は波に乗る昭和学院の前に持ち味のチームプレイが陰を潜め、いいところなく敗れてしまった。インターハイ4強チームが苦戦をしいられる中、今大会に照準を合わせて一回り成長してきたチームが快勝する結果となった。 12月28日、準決勝の見どころ <中村学園女子対札幌山の手>第1シードの東京成徳大を破った中村学園女子と、秋田経法大附、大阪薫英女学院といった強豪校を連破し、初のウインターカップ4強に名乗りを上げた札幌山の手の対戦。中村学園女子はPGの#4中山とエース#7藤吉のラインが強力。東京成徳大戦で勝利の立役者となった2年生センター#9森の活躍も期待できる。札幌山の手は#4大鷹、#5佐藤(海)が得点源となってチームを引っ張る。両チームとも高さがあり、強豪校を破ってベスト4に進出した勢いもあるだけに、熱い戦いが繰り広げられそうだ。 <桜花学園対昭和学院>準々決勝では今シーズン最高の試合内容を見せ、調子が上向いてきている桜花学園。#4松島、#5増野、#6中川の3年生トリオに加え、ここへ来て2年生センターの#10服部が力をつけてきているのが強み。仕上がりの良さならば昭和学院も負けてはいない。地元千葉インターハイでは準々決勝で大阪薫英女学院の前に1点差で敗れて涙を飲んでいるため、その悔しさを今大会にぶつけている。エース#4日下部を中心に、気合いの入ったチームプレイで桜花学園に対抗するだろう。ともにインターハイでは悔しさを味わっているだけに、最後まで気の抜けない白熱した展開が期待できる。
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